本紙がまとめた全国の主要208社の景気アンケートでは、景気の最悪期は脱したものの、早期の回復にはまだ自信を持てない日本企業の姿が浮かび上がった。今月3日に開かれた先進7カ国財務相.中央銀行総裁会議(G7)では、世界経済の現状について回復の兆しが見えるとしたが、回答企業には雇用.円高を景気の下振れリスクとして警戒する声が目立った。多くの企業は鳩山新政権の経済政策を注視している。
景気の本格回復時期について、「2010年後半」と回答した企業が前回調査(今年4月)の27.1%から43.1%に増えた。前回調査で最多だった「10年前半」は26.0%にとどまり、回復時期が半年後ずれした格好だ。
15.7%が「11年前半」、3.9%が「11年後半」と答え、いずれも前回と比べて増加。回復時期がさらに見通しづらくなっている。
景気の先行きで懸念される材料を3つまで尋ねたところ、70.6%が「欧米経済の停滞」と回答した。次いで多かったのは、55.9%の「個人消費の低迷」。生活防衛意識の高まりで衣料品など“不要不急”の商品が売れず、消費不振が企業業績を悪化させ、雇用や収入面の不安を引き起こす悪循環に陥っている。「為替相場の円高」も50.0%に上った。
景気回復の最大の鍵は「個人消費の回復」「輸出の回復」「雇用環境の改善」が上位を占めた。
◆温室ガス削減 「前向き」4割足らず
鳩山首相が表明した温室効果ガスの削減目標に対し、「非現実的で難しい」と否定的な回答を寄せた企業は15.7%。一方「ビジネスチャンスだ」とした企業は17.2%で、「何とか実現にこぎ着けたい」(17.6%)と合わせ、前向きに努力する意向を示した企業は4割足らずだった。
最多は自由記述の「その他」で27.9%。削減目標に一定の理解を示しながらも、経済活動への影響を懸念し、新政権に再検討を求めている。
製造業のある企業は「ビジネスチャンスにつながる面もある」としつつ「削減方法によっては、企業活動や家計負担へのマイナス影響も想定される」と指摘。
国際競争力への影響を懸念する声も。「石油ショック以降、他国に先駆けて化石燃料の使用削減に努めてきた実績を世界に認めさせた上で政策をアピールすべきだ。スタートラインが米国や中国とは違いすぎる」との意見もあった。
◆年末株価「1万円台以上」7割超
現在1万円台を割り込んでいる日経平均株価は、42.2%が12月末時点で1万円台を回復すると予想。次いで30.9%が1万1000円台、さらに2.9%が1万2000円台に上昇するとみており、7割超の企業による景気底打ちへの期待感が鮮明になった。
一方で12.7%が9000円台にとどまると回答した。
円高基調が続く対ドル相場は57.4%が12月末時点の相場を1ドル=90円台前半と予想。さらに11.8%が1ドル=90円台後半と回答しており、約7割の企業がさらなる円高進行はないとみている。一方で19.6%が1ドル=80円台後半を予想した。
责任编辑:雪莉